義肢装具士と聞いても普通の方には
何のことやらさっぱりでしょうが、
たとえば脳梗塞で後遺症が残ったり、
事故で手足に障害が生じた場合には、
まさになくてはならない大きな手助けを
して下さる方々のことです。
脳梗塞では補装具というリハビリ用具で
歩行を補助する器具のお世話になることが
多くて、義足や義肢なども義肢装具士の
方の専門的な知識やアドバイスを元に
製作されています。
私の場合でも退院直前に麻痺している左足の足首部分を支える補装具を見立てていただきました。
足首後部から足裏にかけて爪先が下がりがちになることを防ぐ目的で、
固定して歩行を楽にしてくれるリハビリ用具でした。
補装具を装着しますと常に踵と爪先が安定していますので、麻痺した
左足の爪先が上がらずに引っ掛かって、躓いたり転んだりすることは
なくなります。
便利この上ない後遺症に悩む脳梗塞の
リハビリを続ける患者さんには大助かりの
リハビリ用具ですが、装着すると左足は
靴が入りにくくなりますので、スニーカー
などでは麻痺した足の方だけ、ワンサイズ
大きいものを購入したりします。
左右違うサイズを買うのも面倒なので、私は
いつものサイズよりも0.5㎝大きめの
スニーカーを買って、麻痺のない右足は
きつめに締めて、麻痺した左足は補装具ごと入るように、緩めて履いていました。
理学療法士と義肢装具士が見守る前を歩いてみせて色んな補装具を試しました。
どの補装具が一番歩きやすいかが最大のポイントなのですが、モノによってはとても
大掛かりで膝まで装着するようなまるでロボットの脚のような装具もありました。
結局はコンパクトなものに落ち着いたのですが、アドバイスを
下さる義肢装具士の方の常に笑顔満面の表情が、どれだけ
気持ちを明るくしてくれたことでしょう。
誇張でも何でもなくいつでもニコニコ
されていて、破顔一笑、雨の日でも
パッと周りが明るくなってしまう、
心からの笑顔でいつでもお会いする度に
大きな勇気をいただきました。
退院後も外来のリハビリでお会いする毎に、
常にその笑顔が変わることはありませんので、
心から人は明るいこと、笑顔こそが最良
なのだと学ばせていただきました。
リハビリや医学の治療以外にも、脳梗塞で
麻痺した患者を助ける方法もいくつも
あることを教わった気がしています。