脳梗塞から回復して走れるようになった
瞬間は、ある日突然やって来ました。
正確にいうならば脳梗塞から徐々に回復して
走れるかもしれない、と思った日というべき
かも知れません。
脳梗塞のリハビリを自分なりに続けてきて
3年以上、海で泳いだことはありましたが、
しゃにむに一瞬だけ走れる真似は幾度も
試してきました。
自分で考えても危なっかしい、傍から見たらその場でコケること必至の脚のバタつきにしか過ぎなかったのが現実でした。
ひとえに脚力や筋力はあっても、肝心のコントロール、とくに膝の滑らかな
屈伸はロボットのASIMOよりも、さらにカクカクしたものだったからです。
なめらかな屈伸が思うようにできないため、さらに緊張が走ると固まった
状態のまま力技で振り回すので、蹴り出しから爪先の上下、そしてかかと
への体重移動を、歩き以上の速さと正確さで繰り返し行うことは、麻痺の
残る我が左脚には至難の技でした。
それでも日々の散歩に階段の練習が功を奏したのでしょう、ある日自宅の前で
麻痺していない右足を軸に、左足を少し大きめに振り出して前にジャンプして
みました。
転んでも仕方がない飛びでしたが、左足にギュッと衝撃は受けたものの、
よろけるかな?という不安を一瞬感じた後に、ちゃんと膝が体重を支えて
転ぶことなく、左脚着地に成功しました。
着地した瞬間に、飛べた!という喜びとと
共に、これは走れるようになる、という
実感がフツフツと湧いて来たのでした。
すぐにランニングの本格的な?真似ごとを
暇さえあれば立ったままでも、3メートルの
長さでもするようになりました。
さすがに園内一周とかのジョギングはまだ
先の話ですが、50メートルくらいなら
ヨタヨタ走ることができるようになりました。
脳梗塞から回復は必ず出来ます。