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いきなり麻痺してしまいますと、多くの
患者さんはパニックになったり人生を悲観
したりもします。

 

 

ついさっきまで普通に意識なく動かせて
いた手や足が動かなくなったりしますので、
慌てるなという方が無理な相談なのですが、
実際には突如襲ってきたような脳梗塞にも、
それまでにはちゃんと原因も何かしらの
前兆や症状もあるものです。

 

 

発症した患者さんにしてみれば、どうして
自分だけがこんな目に合うのか、と考えしまうこともあります。

 

 

起こってしまったことは元には戻せませんが、脳梗塞の後遺症や麻痺は、
リハビリでかなりのところまで回復出来ることも多いので、後は患者さんの
リハビリヘの意欲に掛かってくるところも大変大きいと思います。

 

 

ただし早く回復したい、社会に復帰したいと思うあまり、

焦ってあれもこれもと欲張っても、そうは結果は付いて

きてはくれません。

 

 

なまじ最近まで何も考えることなく出来た簡単な動作でも、脳梗塞を発症後
には、オリンピックで金メダルを取るくらいに難しくなっていたりします。

 

 

今でこそ大して考えもせずに使えるトイレも、入院直後には行くのも車椅子
でしたし、便座から立ち上がることも、トイレットペーパーを使うことさえ
もたいへんに高いハードルでした。

 

 

これまで当たり前だっただけに、できない自分の姿を情けなく思ったことも
ありましたが、それでも脳梗塞が軽く済んで良かった、意識もあるし話せる
のはラッキーだった、と妻に励まされたことが大きな支えとなりました。

 

 

家族の支えもとても大きな力になりますし、何よりもどうにか回復したい、
と思う気持ちがとても大切だと思います。

 

 

出来ていたことが突然出来なくなって、失意のあまり精神的にも不安定に
なったり、周りにも感情的なってしまわれる患者さんもいらっしゃいます。

 

 

きっと今後の生活を考えてしまわれたのでしょう。
リハビリを焦るあまりに、出来ない自分に苛立ってしまう患者さんも
お見掛けしました。

 

 

私自身も早く歩きたい一心で許可されていない自主練習を悪い癖が付くことも
顧みずに毎日繰り返しました。

 

 

不恰好でも悪い癖でも構わないので、
とにかく歩きたい、そう願う気持ちが、
食事もそこそこに済ませて病棟の廊下
へと自身を駆り立てていたのだと
思います。

 

 

今にして思えば、変化や進歩は目に
見えない形で少しづつ近付いてくるのが
分かるのですが、焦っている時には結果を
早く求めがちだったようです。

 

 

何しろ麻痺して動かなくなってしまって
いるのですから、一つずつこれまでの記憶
や動く右側を参考にして、ちょっとづつ
覚えてやってみて、そして繰り返すしか
方法はないのですね。

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